富士山 - 信仰の対象と芸術の源泉

日本で一番高く、そして美しい山、富士山。富士山は2013年に世界文化遺産に登録された。山なのに文化遺産? 古来、日本人は何度も噴火を繰り返し、幾たびも噴煙を上げ溶岩が流れ出す、恐ろしく神秘的なこの山を、神が宿る山として崇拝していた。平安時代以降は噴火活動が沈静化し、修行の地として登拝するようになった。また、美しく雄大である姿を芸術として捉え、多くの芸術作品が生み出された。富士山という自然のものに対し、宗教性や芸術性を見出してきた日本人の自然観や文化感が国際的に認められ、世界文化遺産の登録と相成った。

富士山  乗り物から世界遺産!

新幹線で東京出張。富士川鉄橋を渡ると、ばっちり富士山とご対面。手前のアーチ形をした連続ランガー橋は富士川に架かる水道橋。

新幹線は速度が早く、架線柱が次々現れ上手く撮れない。

超望遠で狙ってみる。

つづいては、飛行機で出張。どのあたりを飛んでいるのかは分からない。

別の日、雲海から頭を出す富士山。左下は三保の松原だろう。

なんだか、かわいい▲。あ~たまを~雲の~上に~出し~♪

富士山  自転車で世界遺産!

歌川広重の東海道五拾三次の浮世絵と同じ構図で、現在の宿場の写真を撮りながら、京の三条大橋からお江戸日本橋を目指す自転車旅。静岡県内の旧東海道も魅力溢れる街道が今も残っている。そしていつも富士山を意識できる。

小夜の中山峠から望む富士山。この旅で初めて富士山を見た!その雄大さに心が震えた。

桜満開の頃にもう一度訪れたい。

大井川に架かる大井川橋から望む。

静岡市、安倍川橋から望む富士山。静岡市から富士山まで50kmも離れているのにこのデカさ。

静岡市内、柚木駅付近から望む、早朝の富士山。

清水港から望む富士山。

左に富士山、右には三保の松原。

歌川広重の東海道五十三次 江尻宿(清水)は、こういうヤツ。三保の松原が横たわるが、なぜか富士山が画かれていない。

遠くに見える三保の松原も世界遺産富士山の構成遺産。

薩埵峠へ自転車を押しながら登る。見事な富士山とご対面。

ここからの眺望は、あの歌川広重の東海道五十三次の浮世絵と同じ構図。

歌川広重の東海道五十三次 由井宿は、こういうヤツ。

東名高速を跨ぎ越える新坂橋からの富士山。

富士川橋の橋の真ん中から望む。

富士市内、アーケード商店街の向こうに富士山が覗いている。

左富士といわれる江戸時代からのビュースポット。工場、電柱、電線で視界が悪い。

歌川広重の東海道五十三次 吉原宿の左富士は、こういうヤツ。

吉原の県道380号線、東海道本線を跨ぐ高架橋から望む。

浮島ヶ原付近。

すすきの原っぱ越しの富士山。

歌川広重の東海道五十三次 原宿の富士は、こういうヤツ。富士山が画面を突き抜けるほどの勢いで画かれている。

田子の浦付近。松原越しの富士山。

三島市付近からは、宝永火口が正面に見える。

富士山  登山で世界遺産!

富士山の登山ルートは4つある。一番登山者が多く、一番山小屋がたくさんあり、登山道が最も整備されていて、上りと下りが違うルートなので渋滞しにくく、下りには大砂走りがあり、初心者に一番やさしいルートは吉田ルート。でも今回は上りと下りが同じルートで渋滞するものの、一番距離が短く、最高峰の剣ヶ峰まで近いので、富士宮ルートにした。

今回は富士宮ルートで登る。五合目までは車で登れる。

多少膨らんできたおにぎりせんべい。山頂ではどうなってるだろうか。リュックにおにぎりせんべいとビールを入れて、登頂できたらおにぎりせんべいとビールで乾杯するのだ。

五合目の駐車場から上を見上げると、はるかかなたの頂上が、雲の合間に見ることができた。もうやめて帰りたい、と、ちょっと思ってみたり。

五合目からしばらくは林の中を進んでいく。

高山植物など愛でる余裕はまだまだある。

霧なのか雲なのか。

辺りは真っ白。楽勝で六合目に到着。標高は2,500m。なんだ100mしか登ってない。富士宮口登山道(大宮村山口登山道)の世界遺産としての資産範囲はここ六合目以上が該当している。

雲海。

クレーターは宝永火口。

宝永火口は、宝永四年(1707年)12月16日に、富士山のどてっ腹から噴火した宝永大噴火の噴火口跡。

七合目、標高3,010m。

岩だらけだが、点々と生えている草は何だろう。

パラパラと音がするのは、上から小石が普通に転がってくるから。

今日の宿泊は八合目の山小屋池田。標高は3,250m。とりあえず今日はここまで。足腰頭が痛いのだ。

おにぎりせんべいはパンパン。ビールはまだ飲まない。

晩ご飯のカレーが旨すぎる。息子は喚起をあげてガッつく。おかわり3杯食えそうだ。

カレーを食い、押入れのような寝床で、湿ってザラついた布団にくるまって爆睡したいのだ。でもイビキやら話し声でイマイチ眠れない。ウトウトしていると、頂上でご来光を拝むためザワザワと皆さん起き出し、暗闇の中を出発して行く。

でも息子たちの頭痛が酷く、起き上がれないと弱音を吐かれる。一向に起きてくれないので、山頂でご来光を拝むのはあきらめた。

斜面からのご来光! これはこれで感動的だゾッと。別ルート(吉田ルート)で登っているツレから、頂上でのご来光の写メが送られてきた。こちらの写メを送り返すと、何で斜め?とさ。

九合目、標高3,460m。

いよいよ九合五勺、

下を望むと建物が小さく見える。こんなに登ってきたんだなと実感。

一歩一歩踏みしめて、あと少し、がんばるのだ。

鳥居をくぐり、記念写真! 四人で撮りたくて周囲にいる人にお願いするが、なんと指しか写ってねぇ! 撮った後に確認しなかった私のせいですな。

浅間神社前、おにぎりせんべいは、パッツンパッツンで爆発寸前。

登頂記念に登頂証明書とお母ちゃんへの手紙を送る、ういヤツじゃ。

でも、ここがゴールじゃあない。富士山最高峰3,776mの地点はレーダー基地のある剣ヶ峰。まだ50mほど急斜面を登らなならん。

ヘロへロになりながら富士山レーダー。現役時代には球形のレーダードームがあった。今は取り外され、富士吉田の富士山レーダードーム館に移設されている。

富士山火口は大きくへこんでおり、周囲をぐるりと一周できる。しんど過ぎて、もうお鉢周りをする余裕はない。

剣ヶ峰から浅間神社を見下ろす。

剣ヶ峰の二等三角点。標高は3,775.63m。

という訳で記念写真を撮るのだった。

帰りに備えて飯を食う。

800円のカップラーメンを食ってやる。4人で3,200円なり。ひぇー! そして、おにぎりせんべいとビールで乾杯! 缶ビールを開けたとたん泡が噴き出し、そして生ぬるい。重かったのに!